2017年8月7日月曜日

あこぎな話

今日は変わったタイトルにしてみました。高校時代のボートの話をしたんで、その続きの余談。


僕らが高校時代乗っていた「かじ付きフォア」という5人乗り(漕手4人に操舵手1人)の船は「あこぎ」という名前の船でした。もう一隻、スペアの船は「あこぎ2」。

OBたちが尽力して買ってくれたふねで当時でも一艘200万円はするかなり高額な船でありました。(これとは別に一本10万円のオールが4本必要です。別途艇庫や桟橋が必要なんですから贅沢なスポーツでしたね)。
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「あこぎ」って、変な名前だな、「アコギな商売するな」とかのあこぎ?とみんな言います。

半分合ってて、半分違います。
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津には「阿漕が浦」と呼ばれる地名があるのです。
地名から名前をとって、船の名前が「あこぎ」と名付けたというわけ。高校のボート部の伝統で地名から船の名前をつけたんですな。
あこぎなレースをしたいとか言うわけではないんですw

一方。「アコギな商売をする」の「アコギ」も実はこの地名「阿漕ヶ浦」から来てるんです。


この阿漕ヶ浦と呼ばれる一帯の海は、「伊勢神宮に備える魚を取るための神聖な場所」として地区の取り決めで「お供えを捕る以外は一切殺生禁止」(禁漁区)とされたのです。

しかしながら「禁猟区」になれば逆にそこはものすごく魚や貝などが多く取れる場所になります。
取り決めを破ってこの禁猟区で漁をする輩も居たと言うことです。
ここから転じて決まりを守らずに自分だけ利益を得るような行為を「アコギなことをする」というようになったんだと言われています。。

難関のテストで「アコギなことをする」(カタカナを漢字にしなさい)と問題が出たら「阿漕」と書けるようにしておきましょうね。
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古今和歌六帖(古今和歌集とは違う方)に

逢ふ事を阿漕の島にひく網のたび重ならば人も知りなむ


と読まれており、平安時代にも京都の貴族にも地名や殺生禁止の場所であることが知られていたことが伺えます
(和歌の新天地解釈。どんなにコソコソ逢瀬を重ねても、禁猟区である阿漕の島で何度も網を投げていれば人に知られてしまうように、逢瀬のこともいずれは人が知ることになるであろうよ)

ってなことで「あこぎなり」というような言葉が昔からあったみたいですね。

さらに後に「世阿弥?」が阿漕ヶ浦という話を書いて演じたことで全国にこの言い回しが広まっていったとされています。

(阿漕ヶ浦。ある旅の僧が阿漕を訪れると一人の老人と出会う。色んな話をするんだが、この老人は「このあたりは禁猟区。でもある漁師が決まりを破って魚をとってしまった。それがバレると回りに簀巻にされて海に沈められたことがあった。実はその霊が自分なのだ」と語り姿を消してしまった。)

もちろん、このお話は創作で、実際には禁漁を破って殺された漁師は居ないそうですけどね。。


あこぎな話、でした。

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